エステとは違う美容クリニック

僕の人生は、長年「ヒゲ」という名の濃いコンプレックスに支配されていました。思春期から人一倍濃かったヒゲは、大人になるにつれてさらに勢力を増し、朝に深剃りしても夕方には青黒く浮き出てくるほどでした。毎朝のカミソリ負けで顎周りは常に赤く、時には出血することも。清潔感を保とうとすればするほど肌は荒れ、その肌荒れを隠すためにまた深剃りするという、まさに負のスパイラルに陥っていたのです。そんな僕がヒゲ医療脱毛を決意した直接のきっかけは、当時の彼女から投げかけられた一言でした。「キスする時、ヒゲが痛いんだよね」。悪気のないその言葉は、僕の心の最も柔らかい部分に深く突き刺さりました。僕は自分のコンプレックスが、大切な人まで傷つけているという事実に打ちのめされたのです。その日のうちに、僕はインターネットでメンズ専門の医療脱毛クリニックを検索し、震える指でカウンセリングの予約を取りました。初めて訪れたクリニックは、僕が想像していたような敷居の高い場所ではなく、清潔で落ち着いた空間でした。男性カウンセラーの方が、僕の悩みを真摯に、そして共感的に聞いてくれたことを今でも鮮明に覚えています。脱毛の仕組み、痛みのこと、リスクのこと。全てを包み隠さず説明してくれたその誠実な対応に、僕の不安は次第に「ここなら任せられるかもしれない」という期待へと変わっていきました。そして迎えた初回の施術日。施術台に横たわり、照射の瞬間を待つ間の緊張感は尋常ではありませんでした。噂に聞いていた通り、レーザーが照射されるたびに、輪ゴムで強く弾かれるような、熱く鋭い痛みが走ります。特に鼻下や顎といった毛が密集している部分は、思わず声が出そうになるほどでした。しかし、看護師さんが「痛いですよね、頑張りましょう」「あと少しですよ」と絶えず優しく声をかけてくれ、その声に励まされ、なんとか耐え抜くことができました。施術後数週間で、ヒゲがポロポロと抜け落ちていく「ポップアップ現象」が起きた時の感動は、言葉では言い表せません。回数を重ねるごとに、あれほど僕を悩ませていた青ヒゲは薄くなり、カミソリ負けで荒れていた肌は、本来の滑らかさを取り戻していきました。今、コースを終えた僕の朝には、髭剃りの時間はありません。肌トラブルに悩まされることもなくなりました。しかし、手に入れたのはそれだけではありませんでした。