手足口病は、その名の通り手、足、口の中に発疹ができるウイルス性感染症として広く知られていますが、実はこの病気でも「喉の奥に赤いブツブツ」が現れることがあります。特に乳幼児に多く見られる手足口病において、喉のブツブツは特徴的な症状の一部であり、他の病気と区別する上で重要な手がかりとなります。手足口病の主な原因ウイルスは、コクサッキーウイルスA群(CAV16、CAV6など)やエンテロウイルス71型(EV71)です。これらのウイルスに感染すると、数日間の潜伏期間を経て、まず発熱(微熱程度が多いが、高熱が出ることも)や喉の痛みといった初期症状が現れることがあります。その後、口の中に特徴的な発疹が出現します。この口の中の発疹は、喉の奥、具体的には頬の内側、舌、歯茎、軟口蓋などに現れる赤いブツブツ(紅斑)から始まり、それが小さな水疱となり、最終的には破れて潰瘍になることが多いです。この喉や口の中の潰瘍が痛みを伴うため、子どもは食欲不振になったり、水分摂取を嫌がったりすることがあります。喉のブツブツと同時に、または少し遅れて、手のひら、足の裏、そしておしりなどに、赤みを帯びた小さな水疱や丘疹が出現します。これらの発疹はかゆみよりも痛みを伴うことが多いのが特徴で、水疱の中には透明な液体が入っています。発疹の現れる場所が手足口という特定の部位に集中している点が、手足口病を診断する上での重要なポイントとなります。他の夏風邪であるヘルパンギーナも喉にブツブツができますが、手足口病のように手足には発疹が出ない点で区別されます。また、突発性発疹も発熱後に全身に発疹が出ますが、喉にブツブツは通常現れません。手足口病の場合、喉のブツブツが痛むことで、特に乳幼児は不機嫌になったり、夜泣きが増えたりすることがあります。食事や水分摂取が困難になる場合は、脱水症状を起こさないよう注意が必要です。水分補給はこまめに行い、喉ごしの良い、刺激の少ないものを与えるようにしましょう。おかゆ、ゼリー、冷たいスープなどがおすすめです。