交通事故による怪我の治療というと、多くの人がまず「整形外科」を思い浮かべるでしょう。確かに、むちうち症や打撲、骨折といった運動器系の損傷が多いため、整形外科が中心的な役割を果たすのは間違いありません。しかし、交通事故による影響は身体の運動器だけにとどまらず、精神的なダメージや他の身体症状を引き起こすこともあります。そのため、症状によっては整形外科以外の医療機関を併せて受診したり、転院したりすることも有効な選択肢となります。交通事故後、整形外科と並んで検討されることの多い医療機関が「整骨院・接骨院」です。これらは柔道整復師という国家資格を持つ専門家が、骨折、脱臼、打撲、捻挫などに対して、手技による施術(整復、固定、マッサージなど)を行う場所です。特に、むちうち症や筋肉の痛み、関節の不調などに対して、整形外科での治療と並行して、あるいは整形外科の医師の同意のもとで通院することで、症状の緩和や機能改善を目指すことができます。ただし、整骨院・接骨院ではレントゲン撮影などの画像診断はできないため、まずは整形外科で医師による正確な診断を受けることが必須です。医師の診断に基づき、必要と判断された場合に整骨院・接骨院での施術を検討するようにしましょう。また、保険会社とのトラブルを避けるためにも、事前に相談し、了承を得ておくことが賢明です。交通事故は身体的なダメージだけでなく、精神的なショックも大きく、PTSD(心的外傷後ストレス障害)、うつ病、不安障害などを発症するケースもあります。このような精神的な症状が現れた場合は、「精神科」や「心療内科」の受診を検討すべきです。事故のフラッシュバック、睡眠障害、集中力の低下、食欲不振などが続くようであれば、専門医によるカウンセリングや薬物療法が必要となることがあります。これらの精神的な症状も、交通事故による損害として認められる場合があるため、我慢せずに受診することが大切です。