美容医療における注入治療と言えば、多くの人がまずヒアルロン酸を思い浮かべるでしょう。しかし、近年登場したリジュランもまた、注入によって肌の若返りを図る治療法です。この二つは、どちらも肌に針を刺して薬剤を注入するという点では同じですが、その目的、成分、そして作用機序は全く異なります。自分にとってどちらが最適な治療法なのかを判断するためには、その違いを正しく理解することが不可欠です。まず、最も大きな違いは「目的」です。ヒアルロン酸注入の主な目的は「補填」、つまりボリュームを補うことです。ヒアルロン酸製剤はゲル状の物質で、シワや溝の下に注入することで、その部分を物理的に持ち上げて凹みを平らにします。ほうれい線やマリオネットライン、額のシワなど、はっきりと刻まれた深いシワの改善や、頬やこめかみのボリュームロスを補うのに非常に効果的です。言わば、足りない部分を埋める「パテ」のような役割を果たします。一方、リジュランの目的は「肌再生」、すなわち肌質の根本的な改善です。主成分のポリヌクレオチドは、ヒアルロン酸のようにそれ自体がボリュームとなるわけではありません。その役割は、肌の真皮層にある線維芽細胞を活性化させ、肌が自らコラーゲンやエラスチンを生成する能力を高めることにあります。肌の土台そのものを再構築し、内側からハリや弾力を取り戻させる「肌育治療」なのです。そのため、肌全体の質感向上、ちりめんジワの改善、肌の密度のアップ、毛穴の引き締めなどに効果を発揮します。次に、「効果の現れ方と持続性」にも違いがあります。ヒアルロン酸は注入直後から物理的にボリュームが出るため、効果がすぐに目に見えて分かります。即効性を求める場合には非常に適しています。製剤の種類にもよりますが、その効果は半年から二年程度で徐々に体内に吸収されていきます。対してリジュランは、肌細胞が活性化し、コラーゲンが再構築されるまでに時間を要するため、効果を実感し始めるまでに数週間かかります。即効性はありませんが、自分自身の肌が若返ることで得られる効果は非常にナチュラルで、複数回の治療を重ねることで、肌質の根本的な改善が長期的に持続する点が特徴です。どちらが良い、悪いというわけではなく、それぞれに得意な分野があります。
リジュランとヒアルロン酸は何が違うの?